現在、日本にはさまざまなカタチの結婚式がありますが、神社で行う神前結婚式は、単なる流行やブライダルビジネスとして商業的に行われているものとは異なり、古来より両親から自分へ、自分からわが子へと、人生儀礼（営み）を通して世代を超えて継承され続けている、大切な「心」と「心」を繋ぐ、「美しい結婚式のカタチ」なのです。

私たち日本人は、古来「稲作」を基本として「農耕」「漁撈」などを生業とし、それぞれの土地に定住し、（これまで）地域色豊かな伝統文化を育んでまいりました。それは、私たちの祖先が自然との営みのなかで、森羅万象あらゆるものに神が宿るとして、これらを大切に敬い、崇め、そして時に畏れる、そんな「畏敬」の念を、日々の暮らしやまつりを通じ、「感謝」の祈りとして捧げながら、心豊かに暮らしてきたのです。日本人が文化・政治・宗教など、あらゆる分野において他のものを寛容に受け入れられるのも、こうした考え方が宿っているからだと言われています。

こうした起源をもって生まれ、あまりにも昔から日々の暮らしの中に溶け込んでいる神道の行事（初詣や厄除、初宮参りや七五三、結婚式や地鎮祭など）は、最近ではそのことを教える人も少なくなったせいか、いつしかその意味や心を伝えることよりも、見た目だけのカタチを伝えていることのほうが多くなっているように思います。もちろん、婚礼衣裳やスタイルなどのカタチを気に入っていただくこともたいへん嬉しいことではありますが、